アスパルテームの有用性そして の安全性

アスパルテームの有用性そして の安全性

Robyn Flipse, MS.MA, RDN
Calorie Control Council 顧問

世界各国における高齢化は、人類史上これまでに経験したことがない早さで進んでいます。国際人口統計報告書によると現在、世界における65歳以上の人口は、総人口の8.5%、6億7100万人に上っています。  2050年には、総人口の16.7%、15億6,600万人に達すると予測されています。

高齢化がアスパルテームや他のノンカロリー・低カロリー甘味料とどの様に繋がりがあるのかと不思議に思われるかもしれません。その繋がりについて考えてみましょう。

人生百年時代と言われる今では、80代や90代まで元気に生きられる時代になりました。歳を重ねてからも質の高い人生を過ごすために、現在の生活をより良いものにしたいという意識を持つ人が増えています。アスパルテームが人生の質を高めるために、どの様に役に立つか、以下に説明します。

アスパルテームの有用性

アスパルテームは30年以上前に食品添加物として認可されています。1980年代に砂糖の約200倍の甘さを持つ甘味料として世に出て以来、健康的な生活にアスパルテームが役立つことを示す多数の研究が報告されています。アスパルテームや他の甘味料について報告されている主な有用性は以下の通りです。

  • 体重の維持管理
  • 減量
  • 肥満に伴うリスクの軽減
  • 糖分を抑えた低カロリー食でも得られる満足
  • 多種多様な食品の健康的な摂取

世界保健機関(WHO)によると、人は加齢とともに体重も増加していくと報告されています。実際に1980年以降、現在に至るまでに世界の肥満人口は2倍以上に増えました。現在は、体重過多や肥満が、心臓病、脳卒中、糖尿病、各種の癌などの非感染性疾患の主要なリスク要因として挙げられています。世界的にも、体重過多や肥満の人が、低体重の人よりも疾病による死亡リスクが高いことが知られています。

年齢を重ねたときに自立した生活ができなくなるような慢性疾患を予防するためには、適正な体重レベルを保つことが最も重要な取組みの1つと言えます。砂糖の代わりにアスパルテームや他の甘味料を使用すればノンカロリー、または、ごく低カロリーで食品や飲料に甘味を付けることができます。

甘さを我慢せず、食事の満足感を得ながら体重管理をサポートできることこそが、アスパルテームが人生の質を高めるために役に立つことができると述べた理由です。アスパルテームは、減量を目指す人だけではなく、ご家族全員でお使いいただくことができます。

ただし、意図しない体重減少がみられる場合は必ず掛かりつけの医師にご相談ください。

なお、医薬品ではないために、アスパルテームの摂取だけで体重を減らすことはできません。生活習慣の改善も必要となります。

アスパルテームでカロリーをコントロールしつつ十分な甘みを得る満足感のある食事を実現し、あなたの人生をより健康に幸せに楽しんでください。

アスパルテームの安全性

30年以上前に食品添加物として認可されて以来、アスパルテームの安全性は、食品安全の専門家により徹底的に審査が続けられています。ヒトや動物を対象とした新しい研究が継続的に実施されており、実際の使用量や一日摂取許容量(ADI)で使用者にリスクがないと安全性を判断した際の多数の根拠も参照にしながら評価が続けられています。

専門家による審査の結果として、アスパルテームは遺伝子に損傷を与えないこと、癌の原因にならないこと、脳や神経系への有害性がないこと、子どもにも大人にも行動や認知機能への影響がないことが報告されています。また、ADIレベルの摂取であれば、妊娠中の胎児発達にリスクがないことも報告されています。(ただし、フェニルケトン尿症の女性を除きます)。

90ヵ国以上の規制当局が、アスパルテームに関する学術論文を厳密に審査をしたうえで食品添加物として認可しています。認可している国の例を挙げると、米国、カナダ、欧州食品安全機関(EFSA)加盟国、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどの国々です。2013年、EFSAは食品添加物としてのアスパルテームの安全性に関する学術的見解を再評価した結果を公表しました。現在の使用量レベルで安全性の懸念はないこと、現状のADIである40 mg/kg(体重)/日を変更する必要が無いと改めて結論付けています。

安全性に疑義を唱える一つの新しい研究結果が話題になることがありますが、これまで述べてきた通りアスパルテームの安全性については非常に多くの専門家の見解が一致しているのでご安心ください。

 

Robyn Flipse(MS, MA, RDN):Calorie Control Councilの登録栄養士、文化人類学者、学術顧問。多忙な人への栄養管理相談及び実践、大学での食物や栄養学の講義に30年以上のキャリアあり。ダイエット関連著書では2冊が大人気となり、健康やフィットネスに関する多数の記事やブログを執筆。解り難い栄養に関する話題を解り易く伝える能力が評価され、CNBC、FOXニュース、USAトゥデイなど、さまざまな主要メディアに頻繁にゲスト出演。日々の食事に関して、可能な限り最高の食べ物を選択できるような実用的栄養情報を人々に伝えたいという情熱の持ち主。関連リンク ツイッター@EverydayRD ブログThe Everyday RD

 

4月 11, 2016 Lifestyle Advice