フェニルケトン尿症、アレルギー、その他の過敏症

フェニルケトン尿症、アレルギー、その他の過敏症

By the Calorie Control Council

フェニルケトン尿症

フェニルケトン尿症、アレルギー、その他の過敏症

の名称でよく知られているフェニルケトン尿症は稀な遺伝性疾患で、アミノ酸の1種であるフェニルアラニンの血中濃度が上昇します。フェニルアラニンの蓄積は、フェニルアラニンを摂取後の代謝に必要な特異的酵素を肝臓が十分に産生できないために生じます。フェニルアラニンが過剰になると神経系細胞に有害であり、未治療のPKU患者では、認知、行動、精神系障害が生じるおそれがあります。

この疾患に伴う回復不可能な精神発達遅滞やその他の発達障害を予防するためにはの早期診断が重要なため、出生後2週間以内に全新生児にPKUのスクリーニング検査をすることが推奨されており、フェニルアラニン制限食による治療を開始します。の発現率は世界各地で異なり、民族性によっても異なります。発現率がもっとも高いのはトルコ(1:2600)、低いのはフィンランド(1:200,000)と日本(1:125,000)です。米国での発現率は出生15,000人あたり1人です。

と診断されたらフェニルアラニン監視と食事制限が必要

必須アミノ酸のひとつであるフェニルアラニンは、PKU患者にも一定量必要ですが、過剰のフェニルアラニンを摂取しないようにコントロールする必要があります。

 

新生児が障害であると診断されると、フェニルアラニンを含まない特別な乳児用粉ミルクを母乳の代わりに用いることも含めて、個々に処方された「食」がただちに必要となります。これによって、過剰のフェニルアラニンの摂取を避け、血中のフェニルアラニン濃度を低く維持し脳障害の進行を抑えます。乳児が成長して混合食を食べるようになったら食品中のフェニルアラニン量を監視し、小児期の成長や発達に必要な栄養の変化に対応するように調整し、成人後も生涯継続されます。

 

フェニルアラニンが豊富なのは、肉、鶏肉、魚、卵、牛乳、ナッツ、豆などのタンパク質が多い食品です。穀物、野菜、果物に含まれる量はわずかです。フェニルアラニンはアスパルテームにも入っており、アスパルテームの重量の約50%を占めますが、アスパルテームから摂取されるフェニルアラニンの量は食品からの摂取量よりもはるかに少ないのですが、アスパルテームを使用した場合、表示による注意喚起を行っています。

食品表示にはフェニルアラニンについて記載

フェニルアラニンはアスパルテームを構成する2種類のアミノ酸の1つであるため、米国食品医薬品局(FDA) と欧州食品安全機関(EFSA)は、アスパルテーム入りの飲食品すべてに、フェニルアラニンを含む旨の記載を義務付けており、これによってPKU患者が情報を得ることができます。また、日本では「アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物」と記載しています。

 

この記載がある製品として、口臭予防ミント、炭酸・非炭酸のダイエットソフトドリンク、シリアル、チューインガム、フレーバーシロップやアイスクリーム用ソース、氷菓やアイスクリームの組合せ品、フルーツスプレッド、ノンシュガーのゼリー、ハードキャンディ、粉末ソフトドリンク、アイスティやココアミックス、ミックスジュースやジュース飲料、メープルシロップ、簡便食用飲料や固形栄養バー、プリンやムース、ノンシュガークッキー、ノンシュガーケチャップ、卓上甘味料、野菜飲料、ヨーグルトなどがあります。一部の医薬品、栄養補助食品、その他アスパルテーム入りの薬品類にもこの表示がある場合があります。

アスパルテーム含有食品にフェニルアラニン表示をすることは、PKU患者がこの情報を必要としていることを知らない一般消費者に誤解をもたらす可能性があるかもしれません。表示の目的は、食品ラベルに一般に求められる食品アレルゲンに関する記載と同じで、記載されている成分が有害だという警告ではなく、食品の中の特定成分に対応できない人々への情報として記載されているのです。

アレルギーとその他の過敏症

アスパルテームに対するアレルギー反応や、摂取に伴うその他の一般的な症状の事例報告は、1981年の承認前に実施された多数の試験では確認されていません。今も継続するアスパルテームに関する発売後調査でも確認されていません。Butchkoらは1994年に、「消費者はある成分の摂取とある症状の発生を時間的に関連付けることがあるが、そこに必ずしも因果関係があるとは限らない」と報告しています

米国疾病管理予防センター(CDC)、アスパルテームによる副作用の主張を否定

アスパルテームによる副作用として報告され研究されたものとしては、頭痛、吐き気、めまい、鼻づまり、湿疹、喘息、気分の変化やぴりぴり感などがありますが、今日までの研究では、一般に摂取するよりもはるかに大量にアスパルテームを摂取した場合でも、このような副作用との関連性は確認されていません。米国疾病管理予防センター(CDC)はアスパルテームの使用に関する消費者苦情517件をレビューし、そうした苦情には、「アスパルテームの使用に伴って、重大で広範囲な健康への影響があるという根拠はなかった」と結論づけました。また、この報告では、「報告が多い症状のほとんどは軽度のもので、一般集団によくある症状である」とも述べています。

研究では過敏性は示されず

 圧倒的多数の科学的根拠によって、アスパルテームはPKU患者以外の一般集団(健康成人、小児、青少年、妊娠中や授乳中の女性、糖尿病患者、肥満患者など)に安全に摂取いただけることが証明されています。
2015年にSathyapalan他が独自に実施した研究では、二重盲検無作為化クロスオーバーデザインを用いて、14種類の症状、生化学検査、代謝測定に対するアスパルテームの急性作用を検討しました。被験者はアスパルテームに対する過敏性を自己報告した48人と、性別と年齢を整合させた非過敏性対照者48人でした。その結果、アスパルテーム過敏性被験者からはアスパルテーム含有の有無を問わず食事の摂取後に症状の報告が多かったこと、クロスオーバーの初回セッション後に症状の報告が多かったこと以外では、報告された症状にアスパルテーム摂取群と対照標準群で差異はなく、アスパルテーム過敏性被験者と非過敏性対照群との間にも差異がないことが明らかになりました。そのため、「アスパルテームに対する急性有害反応の根拠はない」と結論づけられました。

アスパルテームに対する疑念をお持ちの方は、さらに医学的評価をお読みいただき、なぜそうお考えになるのか確かめてください。

 

引用文献

Butchko HH, Tschanz C, Kotsonis FN. Postmarketing surveillance of food addtivies. Regul Toxical Pharmacol. 1994;20(1 Pt 1):105-118 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7838988

Centers for Disease Control. Evaluation of Consumer Complaints Related to Aspartame Use. MMWR. 1984;33(43):605-607 https://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/00000426.htm

Gale Encyclopedia of Medicine. Phenylketonuria. 2008. Retrieved January 4 2017 from http://medical-dictionary.thefreedictionary.com/phenylketonuria

Magnuson BA, et. al. Aspartame: a safety evaluation based on current use levels, regulations, and toxicological and epidemiological studies. Crit Rev Toxicol. 2007;37(8):629-727 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17828671

Sathyapalan T, et. al. Aspartame Sensitivity? A Double Blind Randomised Crossover Study. PLoS ONE. 2015;10(5):e0126039. doi:10.1371/journal.pone.0126039 http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0116212

U.S. Food & Drug Administration. Code of Federal Regulations Title 21(3). Sec. 172.804 Aspartame https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?fr=172.804

Williams RA. Mamotte CDS, Burnett JR. Phenylketonuria: An Inborn Error of Phenylalanine Metabolism. Clin Biochem Rev.2008;29:31-41. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2423317/pdf/cbr29_1p31.pdf

2月 13, 2017 カテゴリーなし